感動の場-点

まちの広報誌『広報くっちゃん』では、小川原脩作品の紹介ページ「感動の場 - 点」を連載しています。
浅春譜

浅春譜

2019年4月
『浅春譜』  1
969年  小川原 脩 画
 
  修復のため東京へと送られていた作品が、美術館に帰ってきました。1969年に小川原脩が描いた「浅春譜」という作品です。当時、北海道で活躍する現役作家を集めた第2回北海道秀作美術展(1969年、北海道立美術館)などに出品されました。小川原の作品テーマが動物たちが中心となっていったのは、ちょうどこの頃からでした。
 1点の作品なのですが、上下にくっきりと分かれ、ふたつの絵があるようにも見えます。上半分は時の流れのように着々と歩みを進める馬、下半分には地中から顔をのぞかせる水芭蕉が大きく描かれています。踏みしめる大地であり、生命を覆う雪原でもある、濃紺の太い平行線。この画面を2分する線が、ダイナミックな北国の季節の移り変わりを示しているのです。
 爽やかな季節感を醸し出すこの作品はとても人気がありますが、損傷が激しく数年間展示をお休みしていました。滑らかな絵肌はパレットナイフを使ったもので、この薄い絵の具の重なりの間に空気が入り、剥がれなどを引き起こしていたのです。ぜひ修復後の、艶やかに蘇った姿をご覧ください。