感動の場-点
まちの広報誌『広報くっちゃん』では、小川原脩作品の紹介ページ「感動の場 - 点」を連載しています。
2026年6月
『仮面が見ている』
1968年 小川原 脩 画
濃密な赤に覆われた画面の中で、一頭の馬と三つの仮面が対峙していま す。画面下部には、ずんぐりとした体形の馬が描かれ、顔を後ろへ向け、腰を低く落とした姿勢が不安な印象を与えます。上部には暗い灰色を背景に、赤や白、緑が散りばめられた仮面が浮かび、そのうつろな目は馬を見下ろすようです。
《仮面が見ている》は、小川原脩 57 歳の時の作品です。その年、若手画家・神田日勝の《人と牛 D》とともに全道展から選抜され、北海道秀作美術展に出品されました。黄や赤を基調とした強い色彩や、仮面の並びと牛の背後からのぞく人物の顔の並びには、ふたつの作品に共通する造形性がみられます。現在開催中の特別展では、同じ主題による《人と牛C》を展示しています。
小川原は本作について、「人間とは何か、くり返し問われる時代に生きて、仮構である仮面と擬人的な一 頭の馬との間で、ある種のシニカルな笑を提示出来れば私の主たる目的は達せられるのである」と記してい ます。ここでいう「シニカルな笑」とは、単なる冷笑ではなく、人間の弱さや矛盾を見据えながらも、なお 人間そのものを肯定しようとする視線なのかもしれません。(E.N)
1968年 小川原 脩 画
濃密な赤に覆われた画面の中で、一頭の馬と三つの仮面が対峙していま す。画面下部には、ずんぐりとした体形の馬が描かれ、顔を後ろへ向け、腰を低く落とした姿勢が不安な印象を与えます。上部には暗い灰色を背景に、赤や白、緑が散りばめられた仮面が浮かび、そのうつろな目は馬を見下ろすようです。
《仮面が見ている》は、小川原脩 57 歳の時の作品です。その年、若手画家・神田日勝の《人と牛 D》とともに全道展から選抜され、北海道秀作美術展に出品されました。黄や赤を基調とした強い色彩や、仮面の並びと牛の背後からのぞく人物の顔の並びには、ふたつの作品に共通する造形性がみられます。現在開催中の特別展では、同じ主題による《人と牛C》を展示しています。
小川原は本作について、「人間とは何か、くり返し問われる時代に生きて、仮構である仮面と擬人的な一 頭の馬との間で、ある種のシニカルな笑を提示出来れば私の主たる目的は達せられるのである」と記してい ます。ここでいう「シニカルな笑」とは、単なる冷笑ではなく、人間の弱さや矛盾を見据えながらも、なお 人間そのものを肯定しようとする視線なのかもしれません。(E.N)
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