各種宣言

交通事故防止と安全交通に関する宣言

 最近、われわれの深く心を寒くし、憂慮に堪えないものの一つに車輌による交通事故災害の激増が挙げられるのであります。
 昨年度全国に於いて増加しました自動車数は、軽二輪車、三輪車、四輪車合せて約百万台の多きに達しておりまして、これと共に交通事故数が倍加している憂うべき状態であります。これが根本的な解消には、道路及び環境の整備拡充と事故防止施設の強化によるほかありませんが、この事は一朝一夕に解決する問題ではなく、その間手を拱いて傍観するを許しません。
 中央に於いても全国民的な組織の下に事故防止安全交通の目標に運動を盛り上げており、北海道におきましては二月十六日に交通安全道民運動推進協議会を結成して、只今積極的な運動を展開しているのであります。
 昨年一ヶ年の北海道に於ける自動車事故は、11,732件、死者638名、負傷者9,044名という驚くべき数に上り、一日当たり死亡者1.8人即ち五日に九人という悲惨なる事実に直面しているのであり、全道五百万の道民がこの様な脅威にさらされて戦々恐々としながら社会生活を営んでいるわけであります。
 この惨害からわれわれの身を守り、生活を護る為には全道民の一人一人がこの現実を直視し、認識してわれわれの手で自らを守る事が残された道であると思うのであります。

 この目的を達成する為には、
運転者は、
 1.酒を飲んで運転しない
 1.スピード制限を守る
 1.運転中は各種制限、注意事項を守る
 1.関係法規を遵守する
一般通行者は、
 1.道路の右側通行を守る
 1.道路交通法を守る
 1.車の附近に居る時は特に注意する
 1.子供、幼児に対しては細心の注意を以て監視する

 以上の諸点を遵守実行することによって交通事故の発生は三分の一或は五分の一に減少すると信ずるのであります。
 本日倶知安町議会定例会開会の機会に本案を提出し、全町民一体となってこの主旨に御賛同御協力を願い、本町よりは交通違反及び事故の絶滅を期すべく決意を新たにし、本宣言を決議する。
昭和37年3月18日

暴力追放宣言

 国立、国定公園を擁する本町は、観光施設の充実と共に観光の町としての声価が一段と高まり、観光客の増加しつつあることは慶賀にたえない。
 最近、法秩序を無視して危険な行動が台頭してきたことは、真に憂慮にたえない。
 これは、善良な住民の自由と人権を損なうばかりでなく、次代を担う青少年の健全な育成にも重大な支障をきたすものである。
 よって、本町議会は社会秩序を維持し、明るい住みよい町づくりと町勢発展の上から、あらゆる暴力根絶のため、本町議会の名において暴力追放都市を宣言決議する。
昭和40年10月12日

スキーの町宣言

 私たち倶知安町民は、雄大なる羊蹄、ニセコ連峰に抱かれて、きびしい風雪にひるむことなく、幾代に亘ってこの地を開拓し、豊かな郷土を培ってきた。
 これは、酷寒、多雪の風土のもとにつちかわれた剛健な心身と、たくましい意欲のたまものである。
今や雪は、町民の心身を育てると共に、郷土をスキーのメッカとして大きく躍進させる天与の宝となりつつある。
 私たちは、明るくたくましい雪国の生活を目ざして、スキーのすべてを町民のものとし、スキーを通じて、たくましい心身を育て、ゆたかな町づくりに資することを乞い願い、スキーを町技と定め、ここに「スキーの町」を宣言する。
昭和47年12月20日

世界連邦平和都市宣言

 世界の恒久平和は、全人類の切実に念願するところである。
 北海道倶知安町は、日本国憲法を貫く平和精神に基づいて世界連邦建設の趣旨に賛同し、核兵器を禁止し、世界の人々と手を携えて恒久平和の実現と人類福祉の増進に邁進することを宣言する。
昭和48年6月23日

暴走族追放宣言

 青少年は常に次代のにない手であり、未来への希望を託される栄光をになっている。
 しかるに、一部青少年の法秩序を無視した集団的暴走行為が横行、凶悪化しつつある昨今、善良な青少年や町民の平穏な生活は、脅かされ、かつ、青少年が自らの名誉を傷つけることは、極めて重要な問題である。
 青少年が心身共に明るく、たくましい若者らしく成長し、若い力が自らの自覚と向上によって、より社会への貢献につらなることは町民としての義務であり、その方向に進ませることが町民全体の責務である。
 私達は、この集団暴走青少年の不法な行為は絶対に許さないと言う町民の厳正なる態度と意思を結集し、ここに「暴走族追放の町」を宣言する。
昭和53年9月19日

防犯宣言

 私達の日常生活が平穏かつ安全であることは住民共通の願いであります。

 本議会は、決意を新たにして、平穏で安全な街づくりのため

  1 防犯思想の普及
  1 暴力の追放
  1 地域住民と一体となった防犯運動の実践

 など、犯罪や非行のない、明るく住みよい街づくりに務めることを宣言する。
昭和62年9月25日

非核・平和の町宣言

 世界の平和と安全、人類の幸福は、世界諸国民の共通の願いであります。
 ひとたび核兵器が使用されることになると、人類は滅亡し、すべての文化はことごとく破壊することは明白であります。
 いま、核兵器を廃絶することは全人類の死活にかかわる最も重要かつ緊急の課題となっており、日本国民は世界唯一の被爆国民として、それを積極的に実現する崇高な責務をおっています。
 よって、私たち倶知安町民は平和こそ住民生活の基本であるとの理念のもとに、「つくらず・持たず・持ち込ませず」の非核三原則が完全に実施されることを願い、あらゆる国の核兵器の廃絶を求め、平和と安全、人類の幸福に寄与すべく、ここに倶知安町が「非核・平和の町」であることを宣言します。
平成7年12月15日