感動の場-点

まちの広報誌『広報くっちゃん』では、小川原脩作品の紹介ページ「感動の場 - 点」を連載しています。

2026年9月
 
『男と仔馬』

1953 年 小川原 脩 画

 動物の画家として知られる小川原脩は、1955 年の全道展の画集に「若い頃からの仕事を振り返ってみると、花とか静物とか風景とか云うものを私はそんなに数多くは描いていない。私には私風の好みがあって動物とか、人間とかが好きだ。人間や馬や牛や熊やにわとりを描いていると、とても楽しい。」と、ことばを残しています。
 この作品には赤と緑と白の絵の具で濃淡をつけた背景に、小川原の好んだモチーフがふたつ描かれていま
す。白い仔馬は歯に力を込め、足を蹴り上げ体ごと前に進もうとしているのでしょうか。一方で日焼けした
精悍な顔つきの男は腕を組み、何かを見据えているようです。それぞれが動と静の対照的な姿を見せています。ふたつのモチーフは1951 年に、日本国内で第2 次ブームとなったキュビズム(立体派)の特徴であ
る立体を面で捉え輪郭をくっきり描くことで仔馬と男の骨格や筋肉を力強く生き生きと表現しています。
 東京を離れた年に終戦を迎え、中央画壇から身を引いた小川原でしたが、その後は郷里・倶知安で北方性
豊かなモチーフを作品にして札幌や東京での個展を開き、地方の文化芸術を発信し続けたのです。(I.K)