感動の場-点
まちの広報誌『広報くっちゃん』では、小川原脩作品の紹介ページ「感動の場 - 点」を連載しています。
- 2026.8『笑』 (PDF形式:1MB)
2026年8月
『笑』
1967年 小川原 脩 画
題名から人物の笑顔を想像するかもしれませんが、この作品に描かれているのは、一頭の馬の横顔です。黒い丸い目、大きく前へ突き出した鼻先。厚く塗り重ねられた絵肌と、大胆に単純化された形は、一見すると抽象画のようにも見えます。
1967年から68年にかけて、小川原脩は、このように馬の姿を大きく省略した作品を数多く描きました。その背景には、1950年代末から考古遺物を題材に展開した造形表現があります。小川原は、石器が石を「削り、削ぎ落とす」ことで形づくられる「マイナスの造形」に魅力を感じたと記しています。細部を描き込むのではなく、本質だけを残そうとする考え方は、この馬の表現にも息づいています。
「馬らしい体つき」は思い切って省かれています。一度馬の横顔だと気づくと、その姿は不思議なほど確かな存在として目の前に現れてきます。余分なものを削ぎ落としたからこそ、生命の気配が際立っているのでしょう。描かれているのは色とかたちだけです。しかし、その前に立つと、馬の息づかいや鼻息、足音までもが聞こえてくるように感じられます。目には見えない「音」や「気配」を想像することも、絵画を楽しむ大きな魅力なのかもしれません。(E.N)
1967年 小川原 脩 画
題名から人物の笑顔を想像するかもしれませんが、この作品に描かれているのは、一頭の馬の横顔です。黒い丸い目、大きく前へ突き出した鼻先。厚く塗り重ねられた絵肌と、大胆に単純化された形は、一見すると抽象画のようにも見えます。
1967年から68年にかけて、小川原脩は、このように馬の姿を大きく省略した作品を数多く描きました。その背景には、1950年代末から考古遺物を題材に展開した造形表現があります。小川原は、石器が石を「削り、削ぎ落とす」ことで形づくられる「マイナスの造形」に魅力を感じたと記しています。細部を描き込むのではなく、本質だけを残そうとする考え方は、この馬の表現にも息づいています。
「馬らしい体つき」は思い切って省かれています。一度馬の横顔だと気づくと、その姿は不思議なほど確かな存在として目の前に現れてきます。余分なものを削ぎ落としたからこそ、生命の気配が際立っているのでしょう。描かれているのは色とかたちだけです。しかし、その前に立つと、馬の息づかいや鼻息、足音までもが聞こえてくるように感じられます。目には見えない「音」や「気配」を想像することも、絵画を楽しむ大きな魅力なのかもしれません。(E.N)
- 【過去の記事】感動の場-点 2026/4~
- 【過去の記事】感動の場-点 2025/4~2026/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2024/4~ 2025/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2023/4~2024/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2022/4~2023/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2021/4~2022/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2020/4~2021/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2019/4~2020/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2018/4~2019/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2017/4~2018/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2016/4~2017/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2015/4~2016/3
- 【過去の記事】感動の場-点 2014/4~2015/3
