感動の場-点

まちの広報誌『広報くっちゃん』では、小川原脩作品の紹介ページ「感動の場 ー 点」を連載しています。
オショロコマ

オショロコマ

2018年8月
『オショロコマ』  制作年不詳  小川原 脩 画

 
 魚のしなやかさを、1本の流れるような線で、その動きのすべてを捉えている。背に通った1本の線から魚の体全体が形作られ、オショロコマとわかる独特の模様はぼかしを効かせ、透明感と柔らかさを感じる背びれと尾びれは薄墨で描かれている。色も水彩絵の具で印象的に加えられ、顎の青と、腹びれの赤が鮮やかである。
 小川原脩にとってオショロコマは、少年時代に兄弟で釣りをして遊んだ思い出とともに、その食べ方にも一家言あり、「軽く焼いて一晩干すと、良い出汁がでるんだよ」と話していたという。
 小川原の色紙絵には、遊び心や伸びやかさがあり、見飽きない。色紙に一回限りの線が、筆ですっと入れられる。角度をつけて消えてゆく線は、尾びれの活き活きとした動きを絶妙な加減で表現している。木炭でキャンバスに繰り返し下絵の線を引き、その中から選び取って仕上げられてゆく小川原の油彩画とは、正反対の描き方といえるだろう。尻別川の清流を想い起させる、涼しげな作品である。