男女が平等に参加する倶知安のまちをつくる条例

                               平成17年3月22日議会可決
                               平成17年3月29日公布
                               平成17年4月1日施行

私たちのまち倶知安町に住む男女すべての人が、お互いにその人格を尊重しつつ責任を分かちあい、社会的・文化的に形成された性別意識にとらわれず、その個性と能力を十分に発揮して、その人らしく暮らすことができることを願い、私たちのまちを男女が平等に参画するまちとするために、この条例を定めます。

(目的)
第1条 この条例は、倶知安町において男女が平等に参画する社会を実現するための基本となる考え方(以下「基本方針」という。)決め、町と町民、事業を営む人や団体の運営に携わる人々の役割を示し、そのために町が行う仕事の基本を決めることによって、すべての町民が性別に関係なく個人として尊重され、平等に暮らせるようにすることを目的とする。

(基本方針)
第2条 男女が平等に参画する社会の実現は、次の基本方針に基づいて、男女の人権が尊重されるように進めなければならない。
(1)性別に関係なく個人としてすばらしさが尊重されること。
(2)性別による差別的な扱いを受けないこと。
(3)性別に関係なく、個人としての能力を発揮する機会が用意されていること。
(4)性別によって役割を分けるような制度や習慣をなくすこと。
(5)男女が生涯を通じて性に関する個人の意思が尊重されること。
(6)女性が妊娠と出産によって健康が害されないようにすること。
(7)町や職場や地域の仕事について、その計画を考えたり決めたりするときに、性別に関係なく対等な立場で参加する機会があること。
(8)家庭においては、男女が対等な立場で協力し、家庭生活の役割を果たすとともに、学校や地域など家庭以外の活動も支え合うこと。
(9)男女が平等に参画する社会の実現は、国や他の自治体とも連携・協力し、国際社会の一員として共に進めていくこと。

(町の責任と義務)
第3条 町は、基本方針に基づいて、倶知安町において男女が平等に参画する社会を実現することを重要な施策として総合的に取り組まなければならない。

(町民の役割)
第4条 町民は、基本方針について理解を深め、毎日の生活の中で実行するよう努めなければならない。

(事業者の役割)
第5条 会社や商店などの事業をする人や農業を営む人(以下「事業者」という。)は、家族やそこで働く人々のために、基本方針ついて理解を深め、毎日の仕事の中で実行するよう努めなければならない。

(町内会などの役割)
第6条 町内会やボランティア組織など地域の中で自主的な活動をしている団体(以下「団体等」という。)は、基本方針について理解を深め、日ごろの活動の中で実行するよう努めなければならない。

(性別を理由に個人の権利を侵すことの禁止)
第7条 だれであっても性別を理由に差別をしてはならない。
2 だれであっても相手の意思に反して性的、差別的な言葉や行動によって嫌がらせをしたり不快な思いをさせてはならない。
3 夫婦や恋人など親しい間柄にある男女の仲であっても、腕力や言葉による暴力、嫌がらせなどをしてはならない。
4 事業者は、人を雇うときや賃金や職場の中での地位を決めたりするときに、性別を理由に間接的にも差別するようなことがあってはならない。

(男女平等参画を実現するための基本となる計画)
第8条 町長は、倶知安町において男女が平等に参画(以下「男女平等参画」という。)する社会を実現するための基本となる計画(以下「基本計画」という。)をつくらなければならない。
2 町長は、基本計画をつくるときや、計画を変更するときは、町民の事業をする人などの意見をよく聴かなければならない。
3 町長は、基本計画をつくるときや、計画を変更するときは、倶知安町男女平等参画推進審議会の意見を聴かなければならない。
4 町長は、基本となる計画をつくったときや、計画を変更したときは、町民のだれもがその内容を十分に理解できるようにして知らせなければならない。

(男女平等参画を実現するための町の仕事)
第9条 町は、男女平等参画社会を実現するため、次の仕事をしなければならない。又仕事を計画したり、実行するときには、常に男女平等参画を進めるよう気を配らなければならない。
(1)男女平等参画を進めるために必要な規則を定めたり、費用を確保すること。
(2)男女がお互いの人格を尊重し、性及び子を産み育てることについて自らの意思で決定できるような教育を行うこと。
(3)女性が妊娠や出産によって健康を害さないよう健康相談などを行うこと。
(4)男女平等参画を進めるために活動する町民、事業者及び団体等を支援すること。
(5)家庭と仕事が両立できるよう必要な支援をすること。
(6)事業者や団体等に対し、男女平等参画に関し報告を求めたり、積極的に取り組んだ会社などを表彰すること。
(7)日ごろから地域や職場、学校、家庭等において、男女平等参画の推進や人権を守ることの大切さについて理解を深めるための活動をすること。
(8)この条例によって進められた活動を定期的に議会に報告し、町民に公表すること。
2 町長は、男女平等参画を進めるために推進員を置き、推進月間を設けることができる。
3 町の審議会などの委員は、男女のどちらにも片寄らないようにするため、男女の比率を基本計画に定めなければならない。

(男女平等参画を実現するための事業者が守るべきこと)
第10条 事業者は、自らの事業を計画したり実行するときには、次のことを守り、男女平等参画を進めるようにしなければならない。
(1)働く人々のために男女平等参画を進めるため、雇用、賃金及び昇進などの環境を積極的に整えること。
(2)雑誌や広告などで、女性に対する暴力や女性を過度に性的な対象として表現してはならない。

(相談や意見)
第11条 だれであっても、性別を理由として差別を受けたときなど、基本方針に反することがあったときは、町長に相談することができる。
2 だれであっても、町の仕事の進め方が基本方針や、基本計画に基づいていなかったり、反していると思われるときは、町長に対し、意見を言うことができる。
3 町長は、町民から相談を受けたり、意見を聴いたときは、関係のあるところと連絡を取りあって、なるべく早くきちんと処置しなければならない。
4 町長は、相談や意見を処置するときには、倶知安町男女平等参画推進審議会の意見を聴くことができる。
5 町長は、町民から相談を受けたり、意見を聴き、処理するための窓口を設置しなければならない。

(倶知安町男女平等参画推進審議会)
第12条 男女平等参画を進めるため、倶知安町男女平等参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の仕事は、次のとおりとする。
(1)町長から男女平等参画を進める上で意見を求められたときに、調査や検討をして意見を言うこと。
(2)基本計画がどの程度実行されているかについて報告を受け、意見を言うこと。
(3)男女平等参画を進める上で、審議会として町長に報告を求めたり、意見を言うこと。
3 審議会は、10人以内の委員で構成する。
4 委員は、次の中から町長が任命する。
(1)知識や経験が豊かな人
(2)町内において男女平等参画を推進している事業者や団体等から推薦があった人
(3)町民に募集をし、応募があった人
5 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前の委員の任期が残っている期間とする。
6 委員は、再任することができる。ただし、2期までとする。
7 審議会に会長と副会長を置き、委員が互いに選ぶこととする。
8 会長は、審議会の運営全体のことについて責任を持ち、副会長は、会長を助け、会長が欠けたときは、会長に代わって審議会の運営に当たる。
9 審議会の会議は、会長が招集し、会議の議長となります。
10 この条例で決めていること以外で審議会の運営について必要なことは、会長が審議会と相談をして決める。
11 審議会の事務の仕事は、町総務課が行う。

(規則に委任すること)
第13条 この条例で決めることのほか、必要なことは、規則で決める。

附 則
この条例は、平成17年4月1日から施行する。