徳丸 晋 写真展 ーminamoー

徳丸 晋 写真展 -minamo-

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 「minamo」は、北海道・帯広出身で、現在は倶知安町在住の写真家・徳丸晋が、独自の視点で半月湖の水面を捉えた作品です。
 半月湖は倶知安町の豊かな自然を象徴する場所です。倶知安には秀峰・羊蹄山が町を見守るかのようにどっしりと聳え、その北西の麓に、この小さな湖はあります。かつては完全に円形の火口湖でしたが、その中に熔岩円頂丘が噴出し、半月湖と新月湖の二つに隔てられました。湖畔へ至る散策路は、一度外輪山を上った後、つづら折りに下って行きます。坂の半ばを過ぎた辺りで、その名のとおり、半円形をした半月の姿が全景を現します。樹々が生い茂る森は、覆いかぶさるように湖面の間近まで迫っています。散策路の終着地点は少し開けており、数人で静かなひと時を過ごすことができます。
 徳丸氏は倶知安に移り住んだ頃から、身の回りの小さな自然、野生の花々や木立、昆虫たちのクローズアップ撮影をしてきました。次第に半月湖周辺も、重要なフィールドとなっていきます。そのような中で、2004年、湖面に浮かんだ葉を撮影した写真が、水の波紋に関心を向けるきっかけとなりました。木の葉の周りに広がる、赤や黄色のグラデーションと、楕円が重なる波紋の形―周囲の木々、空、雲などの色彩を鮮やかに映し、吹き込む風は美しいマーブル模様を描き出す―半月湖特有の地形や気象条件、光と風が作り出す造形に心を打たれました。
 それ以降、水面に着目した写真を撮りためていた徳丸氏は、2007年に作品を発表する機会を得、多くの人に新鮮な印象と視点を与えました。また徳丸氏自身も、「minamo」の持つ魅力を再確認することとなりました。
 今では「今日は撮影向きの湖面になりそうだ」と予想できるそうです。それは、季節の木々の色づき、空の明るさ、雲が流れる風の強さなど、経験がそう思わせるのです。徳丸氏が作品の撮影をはじめて10年、何度足を運んでも同じ条件、同じ水面を見ることはなく、一期一会のminamoとの出会いを求めて、半月湖へと通いつづけています。

会期:12月2日 土曜日から2018年2月4日 日曜日