倶知安町の雪にかかる住民意向調査

冬期間の交通通信の確保(冬期間の交通)

1.道路の除排雪とスムーズな自動車交通
2.交差点の除排雪と見通しの確保
3.商店街の歩道 

[分析1] 関心度としては、大いに関心があるが最も高い。しかし、関心がある、どちらともいえないで
    は、緊急度の指摘の方が指摘数が多い。 関心度、緊急度ともに高い施策である。
[分析2] 関心度としては、大いに関心があるが最も高い。しかし、関心がある、どちらともいえないで
    は、緊急度の指摘の方が指摘数が多い。 関心度、緊急度ともに最も高い施策である。
[分析3] 関心度としては、関心があるが最も高い。しかし、どちらともいえないでは、緊急度の指摘の
    方が指摘数が多い。関心は高いものの、緊急性意識は、施策がすでに機能していることから、
    関心の割りには高くないと言えそうな施策である。

冬期間の交通通信の確保(通信の確保)

4.除排雪情報の連絡網の充実 
[分析4] 関心度としては、関心があるが最も高い、しかし、どちらとも言えないでは緊急度の指摘の方
    が指摘数がきわだって多い。関心は高いものの、緊急性は、高くない施策である。

雪を克服する生活環境の改善

5.住宅敷地内の雪捨て場の確保
6.道路に雪が落ちない屋根形態
[分析5] 関心度としては、大いに関心があるが最も高い。しかし、どちらともいえないでは、緊急度
    の指摘の方が指摘数が多い。関心は高いものの、緊急性としては、それぞれ自分で行うもの
    であることから、緊急度は高くない施策である。
[分析6] 関心度としては、大いに関心があるが最も高い。しかしどちらともいえない、関心がないで
    は、緊急度の指摘の方が指摘数が多い。関心は高いものの、緊急性としては、関心が高くな
    い施策である。

雪害対策

7.町内会用の雪捨て場の確保
8.(夏、支障ない)防雪柵の設置の検討 
[分析7] 関心度としては、大いに関心があるが最も高い。しかし、どちらともいえない、関心がない
    では、緊急度の指摘の方が指摘数が多い。関心は高いものの、緊急性としては、関心が高く
    ない施策である。
[分析8] 関心度としてはどちらともいえないが多い。緊急度では、極めて緊急の指摘の方が多い。関
    心は高くないものの、緊急性を指摘する人が多く、郊外に住む人、自動車利用をする人にと
    っては重要な施策である。

雪を利用する生活及び産業活動の推進(雪を利用する生活)

9. 雪を利用した冬のスポーツの振興
10.(冬期の)屋内スポーツの振興
[分析9] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、関心がない人が多い。関心は高いものの
    緊急性を指摘する人が少なく、必要性、あり方、内容について検討が必要な施策である。
[分析10] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらでもない、関心のない、の人が多
    い。関心は高いものの、緊急性を指摘する人は少なく、スポーツする人、しない人で関心の
    差が大きい施策と考えられる。屋内スポーツの必要性を再確認する必要がある。

雪を利用する生活及び産業活動の推進(雪を利用する産業)

11.雪を利用した観光振興
12.雪と倶知安の特産品のタイアップ
13.雪の保冷機能の活用 
[分析11] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらでもない、関心のない、の人が多
    い。関心は高いものの緊急性を指摘する人は少なく、興味のない人で関心の差が大きい施策
    と考えられる。冬期観光振興の必要性を再検討する必要がある。
[分析12] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらでもない、の人が多い。関心は高
    いものの緊急性を指摘する人は少なく、興味のある人、興味のない人で関心の差が大きい施
    策と考えられる。冬期観光振興の必要性を再検討する必要がある。
[分析13] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらでもない、の人が多い。関心は高
    いものの緊急性を指摘する人は少なく、興味のある人、興味のない人で関心の差が大きい施
    策と考えられる。雪の保冷機能の情報について周知した上で、再度声を聞いてみたい。

雪に親しむ機会の増大

14.町民が一同に参加するイベントの開催
15.高校生や職場単位でのイベント参加
16.子供たちに楽しいイベントの開催
17.スキーの町らしいイベントの開催 
[分析14] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらでもない、の人が多く、緊急は少
    ない。関心は高いものの、緊急性を指摘する人はかなり少ない。緊急の施策とは言い難い。
[分析15] 関心度としては、どちらといえないが多い。緊急度では、緊急、そうでないの双方が多く、
    緊急は低い。関心は高いものの、緊急性を指摘する人はかなり少ない。現時点では、関心が
    低く、緊急の施策とは言い難い。
[分析16] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、緊急が多く、緊急性はそれなりにある。
    関心は高いものの、緊急性を指摘する人は多くない。現時点では関心のある施策である。
[分析17] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度ではどちらともいえないが多いものの、緊急も
    多い。関心は高く、緊急性を指摘する人も多い施策である。

高齢者や障害者など…への配慮(高齢者・障害者)

18.高齢者への除雪ヘルパーの充実
19.ボランティアによる除排雪の検討
20.冬期間、定期的な、高齢者の安否確認 
[分析18] 関心度としては、関心がある。大いに関心があるがとても多い。緊急度では、緊急が多く、
    関心を上回る。関心が極めて高く、緊急性を指摘する人も多い。非常に急がれる施策である。
[分析19] 関心度としては、関心がある、大いに関心があるがとても多い。緊急度では、緊急が多く、
    どちらともいえないが拮抗している。関心が極めて高く、緊急性を指摘する人も多い。非常
    に急がれる施策である。
[分析20] 関心度としては、関心がある、大いに関心があるがとても多い。緊急度では、緊急が多い。
    関心が極めて高く、緊急性を指摘する人も多い。非常に急がれる施策である。

高齢者や障害者など…への配慮(子供)

21.子供にたいして、雪や除排雪の教育
22.通学路の除排雪の窓口や体制の設置 
[分析21] 関心度としては、関心がある、がとても多い。緊急度では、緊急が多い。関心が極めて高く
    、緊急性を指摘する人が多く、町民の総意が形成されている施策である。
[分析22] 関心度としては、関心がある、大いに関心がある、がとても多い。緊急度では、緊急が多い。    関心が極めて高く、緊急性を指摘する人も多い施策である。

町内各地域別の除雪計画

23.町内会で、除排雪の体制、共同作業
24.地域ごとで、雪担当者の設置、交流 
[分析23] 関心度としては、関心がある、どちらともいえないが多い。緊急度では、どちらともいえな
    いが多い。関心は高いものの、緊急性を指摘する人は少なく、現時点では、施策の導入の下
    地ができていない施策である。
[分析24] 関心度としては、関心がある、どちらともいえないが多い。緊急度では、どちらともいえな
    いが極めて多い。関心はあるものの、緊急性を指摘する人は少なく、現時点では、施策の導
    入の下地ができていない施策である。

除雪対策

25.高齢者、障害者への細かい除排雪対応 
[分析25] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、緊急が多い。関心が高く、緊急性を指摘
    する人も多い。現時点では、施策の導入の緊急性が高い施策である。

除雪道路にみだりに雪を捨てない

除雪道路にみだりに雪を捨てない

26.除排雪の取り締まり、罰則の検討 
[分析26] 関心度としては、関心がある、どちらともいえない、が多い。緊急度では、どちらともいえ
    ないが多い。関心が高く、緊急性を指摘する人と、どちらともいえない、の人も多い。現時
    点では、緊急と考える人と、どちらともいえないの双方があり、方針の一元化がなされてい
    ない施策である。

流雪溝を利用する際の遵守事項

27.流雪溝の活用の工夫 
[分析27] 関心度としては、関心がある、大いに関心がある、が多い。緊急度では、どちらともいえな
    いが多い。関心が高いが、緊急性はどちらともいえない、の人が多い。施策としては定着し
    ており、緊急的な施策が求められるわけでないと考えていい施策である。

屋根雪の処理で交通の妨げ

28.住民同士の、除排雪トラブルの窓口設置 
[分析28] 関心度としては、関心がある、が多い。緊急度では、どちらともいえない、が多い。関心が
    高いが緊急性はどちともいえない、の人が多い。現時点では、施策としては関心はあるもの
    の、住民の緊急性が高いものではない施策である。

路上駐車等、除雪の妨げ

29.除排雪時の放置自動車の監視
30.除排雪時の歩道駐車の監視 
[分析29] 関心度しては、関心がある、大いに関心があるがとても多い。緊急度では、緊急、大いに緊
    急、が多い。関心が高く、緊急性も高い人が多い。現時点では、施策としては総意が形成さ
    れており、施策検討の必要性の高い施策である。
[分析30] 関心度としては、大いに関心がある、関心がある、がとても多い。緊急度では、緊急、大い
    に緊急、が多い。関心が高く、緊急性も高い人が多い。現時点では、施策としては総意が形
    成されており、施策検討の必要性の高い施策である。

指導及び禁止(除雪のルール)

31.町外から来た住民へ除排雪ルールの説明 
[分析31] 関心度としては、関心がある、が多い。緊急度では、緊急どちらともいえないが多い。関心
    が高い人と、どちらともいえない人に二分される。施策としては、総意が形成されておらず
    、緊急性のある側の意見を掘り下げる必要がある施策である。

町民の意見の反映(町民の参加)

32.除排雪で、住民と除雪業者の話し合い
33.除排雪について、町民の意見の把握 
[分析32] 関心度としては、関心がある、が多い。緊急度では、緊急、どちらともいえないが多い。関
    心が高い人と、どちらともいえないの人に二分される。現時点では、施策として総意が形成
    されておらず、緊急性のある側の意見を掘り下げる必要がある施策である。
[分析33] 関心度としては、関心がある、大いに関心があるが多い。緊急度では、緊急、どちらともい
    えないが多い。関心が高い人と、どちらともいえないの人に二分される。現時点では、緊急
    性を感じていない町民が多数いる。

町民の意見の反映(町民の意見の反映)

34.除排雪に関する、地域の実態の把握 
[分析34] 関心度としては、関心がある、大いに関心があるが多い。緊急度では、緊急、どちらともい
    えないが多い。関心が高い人と、どちらともいえないの人に二分される。現時点では、施策
    としては緊急性を感じていない町民が多数いる。

町民の意見の反映(情報公開)

35.毎年の除排雪計画への、町民の参加 
[分析35] 関心度としては、関心があるが多い。緊急度では、どちらともいえない、緊急が多い。関心
    が高い人と、どちらともいえないの人に二分される。現時点では、施策としては毎年の除排
    雪計画への、町民の参加について、緊急性を感じていない町民が多数いる

優先すべき施策

・雪対策の施策で、優先すべきとの指摘が最も高いのは、以下の9点
(以上9点で、上位累積61%を占有)

1 交差点の除排雪と見通しの確保    (229票、16.3%)
2 道路の除排雪とスムースな自動車交通 (199票、14.2%)
3 高齢者、障害者への細かい除雪対応  ( 90票、 6.4%)
4 高齢者への除雪ヘルパーの充実    ( 78票、 5.6%)
5 住宅敷地内の雪捨て場の確保     ( 52票、 3.7%)
6 町内会用の雪捨て場の確保      ( 51票、 3.6%)
7 冬期間、定期的な高齢者の安否確認  ( 50票、 3.6票)
8 除排雪時の放置自動車の監視     ( 49票、 3.5%)
9 商店街の歩道            ( 47票、 3.4%)

・優先度第1位の施策は以下の4点(4点で、上位61%を占有)で、その顔ぶれは、同じ

1 道路の除排雪とスムースな自動車交通 (123票、26.3%)
2 交差点の除排雪と見通しの確保    (120票、25.7%)
3 高齢者への除雪ヘルパーの充実    ( 23票、 4.9%)
4 高齢者、障害者への細かい除雪対応  ( 23票、 4.9%)

まとめ

第1節 町民の雪、雪計画にかかる意向

(1)高齢化に対応した雪対策
・町民の高齢化が進んでおり、雪対策としても高齢者に対するきめ細やかな対応が上位に指摘されている。
・高齢者の単身者、高齢者夫婦が、在宅で屋根の雪おろしや玄関先の除排雪に不安なく暮らせるよう、また冬期間、外歩きが可能な雪対策が必要である。
また今後、高齢者の増加が想定される中で、高齢者が安心して冬期間生活できる居住環境の確保も重要である。
・今後、町民の関心として、高齢者の冬期間の居住環境の確保を目指し、住宅、福祉、健康、地域コミュニティなど、行政と地域社会の両面から、総合的な雪対策、雪計画の導入の高まりが想定される。

(2)住民が参加できる雪対策
・従来の公共主導の除排雪計画で、道路の除排雪、交差点の除排雪への関心や緊急性の指摘が高い。
・一方、敷地内や玄関先の除排雪の関心や、道路除排雪との連携を求める指摘、雪対策への話し合いへの関心も高い。
・また、子供ワークショップでは、雪の遊びや暮らしが、子供たちの冬の楽しみとして生活や思い出形成に深く根付いていることも指摘された。
・今後、従来の公共主導の雪対策に加え、住民が雪計画、雪のイベントや除排雪対策を一連の施策としてとらえ、住民が常時、積極的に関与する、横断的、包括的な雪計画とそこに基づく雪活動、雪対策の導入への関心の高まりが想定される。

(3)住民が納得できる雪対策
・除排雪時の歩道駐車の監視、除排雪時の放置自動車の監視、高齢者への除雪ヘルパーの派遣、商店街の歩道の除排雪、住宅や町内会の雪捨て場の確保など、除排雪活動への関心が高い。
・これら除排雪活動は、住民の理解、協力が不可欠であり、そのためにも住民  が納得できる情報公開、説明、発言機会の確保、利害調整の場の確保など、応分の責任と権限がともなう。
・今後、高齢者、商業者、事業者や住民が、地域や町内会の問題として納得で  きる雪対策の導入やその協議の場の設定への関心の高まりが措定される。

第2節 行政の受けとめ方

(1)総合的な雪対策の導入
・住民の生活圏の広域化、価値観の多様化、他市町の雪情報の把握により、雪対策のあり方そのものが、近年、大きく多様化している。今後の高齢社会の  到来、地方分権時代、住民主体の時代に対し、雪対策のあり方そのものが見  直される必要がある。
・倶知安町にあっても、平成14年6月の雪条例の施行、今回の住民意向調査の実施にあわせ、来るべき社会に対応した総合的な雪対策の導入の検討が望まれる。
・具体的には、住民、地域社会でできること、行政、住民、雪事業者の協同で可能なことなど、(従来の公共主導の雪対策に加え)地域社会の雪活動を包括的にとらえる総合的な雪対策とその主体、制度、事業の確保が必要である。

(2)行政、住民、雪事業者の協働
・地方分権、地方自立の時代に対応し、住民が満足できる雪活動や雪対策の導入が求められる。
・住民の視点で満足感の高く、住民の視点で効率的(対費用効果を含む)と見える施策について、行政、住民、除排雪業者、イベント関係者が協働で発案し、活動できるよう、行政がその枠組み(ルール)を提唱し、住民協働の雪活動、雪対策の仕組みを検討する必要がある。

(3)情報公開、住民参加、透明化
・住民や除排雪業者、イベント関係者の関心を高め、協働の雪活動、雪対策を樹立し、実施するためには、行政に集中している様々な雪情報を公開し、雪活動や雪対策をより身近なものとすることが重要である。
・また、地域社会の問題は住民主体で解決を図るという住民参加やその発想自体の是非について、行政が率先し、できるところから、できるひとから議論を始めて、順次住民の関心を高め、輪を広げることも重要である。
・また、コスト、人材、技術、ネットワークなど、雪にかかる情報の公開や施策決定過程の公開など、情報や施策の透明性を高めることにより、雪にかかる、新しい住民のかかわり方を確立することも必要である。