感動の場−点
2012年2月

『無題』1940年 小川原脩 画
1940年4月に東京府美術館(当時)で開催された美術文化協会第1回展に出品する予定だったが、友人たちの忠告を受けて出品することを止めてしまった。原題は「ナルシス」、裸の男が海岸の岩礁に寄りかかり水面に映った自分の姿に魅せられた有様を描いたものだった。
当時、展覧会の会場には特高警察が詰めかけており、裸の絵や前衛といわれる絵はふさわしくないと撤去されるか破棄された。小川原は出品することができなかったこの作品を破り捨てることなく、塗りつぶすことにした。でも、完全に塗りつぶすことができなかったようだ。その証拠に、白い船の向こうに薄っすらと前の絵が見えている。
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