杉山留美子展-光満ちるとき

杉山留美子展-光満ちるとき

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 1942年、札幌に生まれた杉山留美子は、北海道の前衛的な美術運動に早くからたずさわり、その後、長きにわたり現代表現を展開する北海道の代表的な作家として活躍していましたが、2013年に亡くなりました。その間、1973年には北海道芸術新賞、75年に時計台文化会館美術大賞展・大賞候補賞、86年に北海道国際文化交流賞、そして2008年には札幌芸術賞を受賞しています。
 その作品は、作家自らも私的曼荼羅と呼ぶ宇宙の生々流転をモチーフとした幾何学的な抽象表現から、時代とともに、色彩、すなわち光の表現の追求へと向かいます。多彩なスペクトルを内包したような赤、青などの鮮やかな色彩は次第に純度を増し、最終的にはまばゆい朝の光を感じさせるような、ほぼ白一色の静謐な空間に到達しました。
 小川原脩とは、1983年の夏、約2週間にわたりラダックへの旅行を共にしています。当地で触れたチベット文化、自然界のすべての物に命の尊さを見る仏教的な世界観、そして曼荼羅に描き出される深遠な宇宙の摂理など、二人の制作活動の根底には、相通じるものが流れているように感じられます。

会期:2016年10月22日(土)~12月11日(日)

関連イベント
  • アート・トーク
「光の画家 杉山留美子さんを語る」
講師:小室治夫氏(杉山留美子基金代表/JRタワーARTBOXディレクター)
日時:10月22日(土)10:00~
会場:第1展示室/無料
  • ミュージアム・コンサート
ファゴットだらけ」演奏会~名曲を柔らかな響きに乗せて~
出演:「ファゴットだらけ」
岡田 絵美氏(旭川フィルハーモニー管弦楽団)
八木 聡子氏(札幌シンフォニエッタ)
前川公美夫氏(札幌シンフォニエッタ)
  日時:11月26日(土)14:00
会場:当館ロビー/無料