過去の展覧会(2012年)

上田 茂 展―澄明な風景―

「燈」2012年

展示期間:2012年11月22日(木)~2013年1月14日(月)

柔らかく、淡い色調の水彩画。四季折々の透き通った情景、心が洗わ れるようです。
黒松内町在住の水彩画家上田茂さんの作品を展示しております。
作家略歴:
上田 茂 UEDA, Shigeru
 北海道帯広市市出身
 1991年 水彩画による活動開始
 1997年 個展(芽室町民家 以後毎年開催)
 1998年 上田茂水彩絵巻展(霧多布湿原センター ’02まで開催)
 1999年 上田茂水彩絵巻展(剣淵町絵本の館)
 2007年、2010年 個展(札幌時計台ギャラリー)
 2011年 くっちゃんART展(小川原脩記念美術館 以後毎年出品)
 2012年 上田茂展 めぐりあう水と光(洞爺湖芸術館)
黒松内町在住
「清夢」2012年

(展覧会風景)

北口さつき・髙橋靖子・宮崎むつ三人展―線を紡いで―

展示期間:2012年10月4日(木)~11月18日(日)

北海道で地道に、個性ある創作活動を行っている女性作家 北口さつき・髙橋靖子・宮崎むつ各氏の自在に変化する点と線、緻密な線などが醸し出す、まるで宇宙(そら)のような奥行きを感じることができる多彩な作品による展覧会です。
出品作家:
北口 さつき KITAGUCHI, Satsuki
 北海道三笠市出身
 北海道教育大学特設美術工芸科卒業
 北海道教育大学専攻科修了
 1985年 第60回道展新人賞
 1992年 道銀芸術文化奨励賞  1994年 北海道選抜女流作家展古瀬キヨ賞 札幌市在住

髙橋 靖子 TAKAHASHI, Yasuko
 北海道帯広市出身
 1979年、1981年、1986年 全道美術協会展奨励賞
 1993年 全道美術協会会員
 1982年、1984年、1985年 自由美術協会展佳作賞
 1986年 自由美術協会会員
 1993年 自由美術協会展平和賞
札幌市在住

宮崎 むつ MIYAZAKI, Mutsu
 北海道室蘭市出身
 北海道教育大学札幌分校特設美術課程彫塑科卒業
 北海道教育大学専攻科修了
 1969年 学生全道展文部大臣賞
 1979年、1986年 全道展奨励賞
札幌市在住

出品作品:
北口さつき 牡丹 2012、草花図 2012 ほか 髙橋靖子  作品(赤)2005、氣配 2010 ほか 宮崎むつ  私の庭 2011、叢の囁き 2012 ほか 全29作品

(展覧会風景)
北口さつき 牡丹 2012年
髙橋靖子 氣配・I 2011年、氣配・2 2011年
宮崎むつ 叢の囁き 2012年 、命の輝き―地 2008年、叢の囁き 2012年

第54回麓彩会展-地方文化の苗床

展示期間:2012年8月23日(木)~9月30日(日)

54年目を迎えた麓彩会展。8名ほどの創立メンバーが、前の公民館で手作りパネルに作品をかけたのが始まりでした。
自由な雰囲気で作家たちが作品を持ち寄り、終わればまた持ち帰ることを繰り返しながら、土地の芸術文化創造の一翼を担ってきました。

出品作家:
菊池ひとみ 木滑邦夫 小島英一 坂口清一 志津照男 鈴木康子 谷口一芳 徳丸滋
野本醇 羽山雅愉 穂井田日出麿 本庄隆志 宮崎むつ 米澤邦子 渡辺嘉之 小川原脩

出品作品:
全16点 

第10回しりべしミュージアムロード共同展 - ヘンシン!≪素描と油彩画≫

展示期間:2012年7月20日(金)~8月19日(日) 5館同時開催
しりべしミュージアムロードでは、2002年から、お互いのコレクションやネットワークを活用した展覧会を 開催しています。今年の共通テーマは「ヘンシン!」
加盟館の、木田金次郎美術館、荒井記念館、西村計雄記念美術館、有島記念館、小川原脩記念美術館の5館がそれぞれのコレクションを交換し5つの展覧会を同時に開催します。
ミュージアムには作家を「伝え」、郷土を「伝え」、さらにふるさとの文化を「伝える」仕事があります。作家も、地域も、文化も時を重ねながら変化していきます。だから、ミュージアムは展覧会を開くごとに「ヘ・ン・シ・ン」するのです。文化は地域を元気にします。文化は人びとを幸せにします。自分自身を「ヘンシン」させよう、しりべしのミュージアムで。

出品作家:
小川原脩 木田金次郎 パブロ・ピカソ 福沢一郎 西村計雄

出品作品:
小川原脩 「ニセコの秋(1980)」「イワオヌプリ(1967)」ほか、木田金次郎「ノサップ灯台(1960)」「半農の漁村(1958)」ほか、パブロ・ピカソ「槍の突きI(1959)」ほか、福沢一郎「ひるがえる赤きムレータ(年不詳)」、西村計雄「ノルマンデー(1952)」ほか 全22点

(展覧会風景)
小川原脩記念美術館では≪素描と油彩画≫のテーマで開催します。
素描の線は誠に自由自在です。自在な線が次々につながり、ひとつのカタチを成し、そこにあるモノ、そこにある風景がどんどん写しとられてゆきます。素描から画布へ転載された線は、余計なものがそぎ落とされ、油絵の具が塗られて究極のカタチへと変身します。
個性的な作家たちの多彩で多様な作品のヘンシン振りをご覧ください。

穂井田日出麿展 - 生きる

展示期間:2012年6月7日(木)~7月16日(月・祝)

極寒の日本海の荒波を縫うように、スケソウダラを追い求めて出漁する漁船。陸揚げされた網には無数のスケソウダラが。網はずしをするのは、浜の母さんたちだ。穂井田は彼女たちに敬意を込めて「はずし娘(こ)さん」と呼ぶ。浜に生きる人びとの情景を描いた、情感豊かな作品をご覧ください。

作家略歴:
穂井田 日出麿 HOIDA, Hidemaro
全道美術協会会員
麓彩会会員
古平美術協会会長
古平町在住

出品作品:
海鳴 1994、船小屋と漁夫 1995、老漁夫 1999、はずし娘三代「阿」2003、帰路 2005、はずし娘さん 2006、はずし娘の讃歌 2008、生きる 2001 ほか 全25点

(展覧会風景)
 浜で働く人“はずし娘”を描きはじめたのは40年前になる。それまでは、テーマが定まらず色々と描いた。
「はずし娘」(1997年)は、海を見たままを、青で表現した。それに負けない赤をいれた。次第に青にとらわれなくなった。ゴムガッパの質感に夢中になった。連作「はずし娘三代 阿、吽」(2003年)では、作品に描いた人物は、誰かや特定の家族ではない。世代をこえて続く、海との暮らしを描いた。浜では最近は作業する姿が減ったように思う。だが、衣服などの表面的なものや作業の量は違ってきていても、ずっと続けられてきた海で働くということ、そのたくましさは不変のものである。

何も周囲に書き込まなくとも、人を描けば海との暮らし、漁のこと、すべてが表せるとも思っていた。しかし次第に、自然につつまれて生かされている感覚になった。それが「はずし娘の讃歌」(2008年)に表れた。同時に作品から、楽しさや誇りを感じるようにもなった。こう、並べてみると、描くんだという意気込みが前に出た作品から、今ではすっぽり空間に入っている気持ちになったのが、自分でもよくわかる。

働くことの素晴らしさ、自然の中で生かされ働いて生きていく、そのありがたさ、感謝、それはとても美しいものだ。それらを想い、作品を描き続けている。(作者談)

西村明美展 - 花・生命の旋律

展示期間:2012年4月19日(木)~6月3日(日)

銅版画によって再現された花、無機的な存在ながら連続する花の形態はまるで生命の旋律のように、躍動する。
これまでの展覧会になかった新しい感動を覚える展覧会です。

作家略歴:
西村 明美 NISHIMURA, Akemi
1978 北海道教育大学札幌分校特設美術課程油彩科卒業
1991 北海道美術協会展版画部門会員
1993 日本版画協会準会員
札幌市在住

出品作品:
Queen's melancholia 11 vol.11-vol.5 2011、Black dahlia Spiral 10 #1-#10 2012、 Chocolate Poppy 7 vol.1-vol.7 2011、anasutasia-spring green 5 5-1 2010、 29番目の夢~フリージアの場合 2010 全5組30点

(展覧会風景)
「展示室正面に位置する作品『Black dahlia Spiral 10 2012』は、倶知安をイメージして制作した新作。ブラックダリアのもつ風格、強さ、神秘さのイメージを重ねた。
流れるように余白の間を回転する花。個体の命の揺らぎと展開、また、世代を超えて続く、つながる、そういったことも、「生命の旋律」という表現に込めている。」(作者談)

空間全体を構成するイメージから、プリントの位置を決め、銅の版を細やかに腐蝕してゆくまで、一連でありながら逆算という複雑さ、かつ膨大な作業を越えて生み出される瑞々しい花々には、作者自身のエネルギーまでもが封じ込められているようだ。